純現金収支は事業活動および投資活動による現金収支の総計
純現金収支は、フリーキャッシュフロートも呼ばれています。事業活動による現金収支と投資活動による現金収支を足したものをいいます。これは、事業活動の稼ぎで得た現金である営業キャッシュフローと設備投資やM&Aなどに充当する資金である投資キャッシュフローの合計となります。
これらのことからわかるように、企業が自由に使える現金をどれだけ生み出したかを示す指標です。一般的にこの金額が増加すると、株主への配当金や自社株買いを増加させたり、設備投資や企業買収などの成長戦略に活用することができ、企業活動の上昇につながります。
また、自社株買いというのは2001年の商法改正によって、自己株式が解禁され、それ以降は純現金収支が増えることによって軌道的に自社株買いが行えるようになったのです。さらに商法改正が2003年に行われ、株主総会の承認でなくても一定の財源の中で、取締役会の決定により自社株買いをすばやく行えるようになりました。
以上のことからこの金額が多いほど企業としての体力強化につながり、評価も上がっていくのです。
純現金収支は、企業評価の有力な指標の一つであり、この指標の現在価値と遊休資産の時価評価額を足したものから借り入れ債務を控除した価額が、投資している株主にとっての企業価値となります。
一般的に企業買収などで企業価値の評価を算定する際には過去の実績よりもこれからの将来の見通しのほうがより重要になってくるのです。
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